当科は、平成18年10月 北部地区医師会病院に沖縄県北部地域で唯一の心臓血管外科として開設されました。
心臓血管外科の対象となる疾患には、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞やその後遺症)、心臓弁膜症(大動脈弁、僧帽弁および三尖弁の狭窄・閉鎖不全症)、大動脈疾患(胸部や腹部の大動脈瘤、大動脈解離)、成人先天性心疾患(心房中隔欠損、心室中隔欠損など)、不整脈(心房細動に対するメイズ手術)、心臓腫瘍、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)、下肢静脈瘤に対する手術などがあります。また一刻を争う心臓血管の救急疾患に対しても24時間対応で緊急手術が可能な体制で臨んでいます。
沖縄県でも北部地区はとりわけ長寿の地域で、高齢でも畑仕事などをして元気に過ごされている方が多くおられます。心臓血管の手術は何歳くらいまで可能かという質問をよく受けますが、単純な暦年齢(実年齢)の上限はなく、身の回りのことをご自身でされている方であれば、手術は可能です。
また糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病や、脳、腎臓、肝臓、肺などの重要臓器に余病を持たれている方もおられ、その程度が重症の場合、手術後に合併症を起こす危険が増えることがありますが、そのような方々においても当科では出来るだけ体にかける負担の少ない低侵襲手術を基本とし、さらには循環器内科医との綿密な連携のもとに内科的治療を組み合わせるなどの工夫をすることで、安心して治療を受けていただけることを目指しております。
専門医制度と連携したデータベース事業について
心臓血管外科専門医認定機構からの決定事項で、平成24年1月1日以降の手術症例から、心臓血管外科専門医の申請に、一般社団法人National Clinical Database (NCD)または日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)への登録が義務付けられました。
当科においても『一般社団法人National Clinical Database (NCD)』(平成23年1月から)および『日本心臓血管外科手術データベース機構』(平成24年1月から)のデータベース事業に参加しています。
これらの詳細については以下をご覧下さい。
心臓血管外科が扱う疾患
虚血性心疾患の外科治療 | 狭心症、心筋梗塞に対して冠動脈バイパス術(人工心肺非使用・使用) 心筋梗塞合併症(心室瘤、心室中隔穿孔、虚血性心筋症)に対して心室瘤切除術、穿孔閉鎖術、左室形成術(ドール手術)など |
弁膜疾患の外科治療 | 弁形成術、弁置換術(機械弁・生体弁) |
大動脈疾患の外科治療 | 胸部および腹部の大動脈瘤、大動脈解離に対する人工血管置換術 |
不整脈疾患の外科治療 | 心房細動に対してメイズ手術 |
心不全の外科治療 | 拡張型心筋症、虚血性心筋症などに対して左室形成術(ドール手術、バチスタ手術) |
成人先天性疾患の外科治療 | 心房中隔欠損症、心室中隔欠損症などに対して欠損孔閉鎖術 |
その他の開心術 | 心臓腫瘍に対して腫瘍摘出術 |
末梢血管疾患の外科治療 | 閉塞性動脈硬化症に対して人工血管バイパス術、下肢静脈瘤に対する手術、内シャント増設術 |
参考資料
狭心症・心筋梗塞とは( 2013-09-12 ・ 915KB )
大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)とは ( 2013-09-12 ・ 209KB )
弁膜症(べんまくしょう)とは ( 2013-09-12 ・ 161KB )
関連リンク
心臓血管外科専門医認定機構 http://cvs.umin.jp/
一般社団法人National Clinical Database ( NCD ) http://www.ncd.or.jp/
日本成人心臓血管外科手術データベース ( JACVSD ) http://www.jacvsd.umin.jp/
患者さんへ
専門医制度と連携したデータベース事業 ( 2012-11-10 ・ 148KB )
日本成人心臓血管外科手術データベース ( 2012-11-10 ・ 1152KB )