平成28年度 公益財団法人 北部地区医師会 北部地区医師会病院 病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
- 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞のICD10別患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
- その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数 ファイルをダウンロード
| 年齢区分 | 0～ | 10～ | 20～ | 30～ | 40～ | 50～ | 60～ | 70～ | 80～ | 90～ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 患者数 | – | 44 | 96 | 119 | 229 | 431 | 784 | 655 | 1,027 | 597 |
| ＜解説＞ 当院は、沖縄県北部医療圏の急性期を担う中核病院として、地域の医療機関と連携を図りながら、内科、外科整形外科、救急の診療を行っています。また、平成２８年１０月より急性期医療から在宅へとスムーズに移行出来るようにと地域包括ケア病棟を開設し、患者さまの病状に応じた医療提供を行っています。 小児医療を行っていない為、成人を対象とする医療を提供し、患者年齢層も北部地域の特徴である高齢者の人口が多いことが影響し、６０歳以上が全体の77％を占めています。 |
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで） ファイルをダウンロード
内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎 | 185 | 21.09 | 21.25 | 12.97 | 88.02 | |
| 110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症 | 181 | 15.23 | 12.43 | 7.18 | 81.60 | |
| 150010xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 | 61 | 5.51 | 5.50 | 0.00 | 57.33 | |
| 0400801499×012 | 肺炎等（市中肺炎かつ75歳以上） | 53 | 16.04 | 18.71 | 5.66 | 88.32 | |
| 060340xx03x00x | 胆管（肝内外）結石、胆管炎 | 51 | 11.55 | 11.06 | 3.92 | 74.96 |
| ＜解説＞ 内科で最も多い症例は肺炎等になりますが、中でも嚥下機能が低下する高齢者に多い疾患である誤嚥性肺炎が多くなっています。 この症例で転院率も約13％と高い理由は、急性期の症状が落ち着くと地域の連携病院の療養病棟等に転院して頂き治療継続を行っているためです。次に多い症例が尿路感染症、ウイルス性腸炎となっています。 |
外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 060335xx02000x | 胆嚢水腫、胆嚢炎等 | 51 | 6.02 | 7.61 | 0.00 | 61.47 | |
| 060210xx99000x | ヘルニアの記載のない腸閉塞 | 43 | 8.35 | 9.08 | 2.33 | 73.26 | |
| 080011xx99xxxx | 急性膿皮症 | 29 | 11.97 | 11.97 | 3.45 | 72.41 | |
| 060035xx01000x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 | 23 | 13.57 | 15.92 | 0.00 | 69.74 | |
| 060340xx99x00x | 胆管（肝内外）結石、胆管炎 | 20 | 13.40 | 9.93 | 0.00 | 75.75 |
| ＜解説＞ 外科では、腹腔鏡下で胆のう摘出術ができる胆嚢疾患が多いのですが、開腹せずに腹腔鏡下手術ができることから、平均在院日数も短くなっています。次に多い症例は、手術や処置を必要としない腸閉塞（イレウス）、続いて発赤・熱感、疼痛を症状とする急性膿皮症(蜂巣炎）が多くなっています。外科的切除が必要な大腸癌が４番目に多い疾患となっています。 |
整形外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 160800xx01xxxx | 股関節大腿近位骨折 | 99 | 34.98 | 27.63 | 52.53 | 83.97 | |
| 160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。） | 39 | 29.59 | 20.57 | 28.21 | 79.97 | |
| 070230xx01xxxx | 膝関節症（変形性を含む。） | 16 | 39.00 | 26.26 | 12.50 | 81.19 | |
| 071030xx99xxxx | その他の筋骨格系・結合組織の疾患 | 12 | 40.75 | 10.31 | 25.00 | 78.92 | |
| 160780xx97xx0x | 手関節周辺骨折脱臼 | 10 | 7.10 | 4.37 | 0.00 | 33.20 |
| ＜解説＞ 整形外科では、高齢者の転倒により発生する手術が必要な大腿骨骨折症例が多く、この症例は転院率も53％と高いのは、 急性期医療を終えて、他の回復期リハビリテーション機能を有する病院への転院治療がある為です。 次に多いのは、手術を伴わない腰椎圧迫骨折等の胸椎、腰椎以下骨折損傷です。 |
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数 ファイルをダウンロード
| 初発 | 再発 | 病期分類 基準（※） |
版数 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
| 胃癌 | – | – | 12 | – | – | 14 | 1 | 7 |
| 大腸癌 | 30 | 13 | 23 | 10 | – | 40 | 1 | 7 |
| 乳癌 | 14 | 13 | – | – | – | 19 | 1 | 7 |
| 肺癌 | – | – | – | 13 | – | 17 | 1 | 7 |
| 肝癌 | – | – | – | – | – | – | 1 | 7 |
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
| ＜定義＞ 平成２８年４月～平成２９年３月に退院された患者さまの初発の５大癌のＵＩＣＣ病期分類並びに再発患者数です。 集計上、１０未満の数値の場合は－（ハイフン）で表示しています。 |
| ＜解説＞ 当院は、消化器内科・呼吸器内科・消化器外科・乳腺外科の診療を中心にがん治療（手術及び化学療法）を提供しており大腸癌、乳癌、胃癌の症例が多くなっています。肺癌については、呼吸器外科専門医がいない為、患者数は少なく内科的治療が中心となる高齢の患者さまが多くなっています。肺癌で手術が必要な場合は、呼吸器外科専門医のいる医療機関への紹介を行っています。 |
成人市中肺炎の重症度別患者数等 ファイルをダウンロード
| 患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
|---|---|---|---|
| 軽症 | 48 | 8.65 | 55.46 |
| 中等症 | 215 | 13.65 | 80.82 |
| 重症 | 52 | 21.79 | 88.85 |
| 超重症 | 22 | 25.91 | 84.95 |
| 不明 | – | – | – |
・成人（２０歳以上）の肺炎患者について重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。
・市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎です。
| ＜定義1＞ 入院契機病名及び医療資源を最も投入した疾病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎（ＤＰＣ040080相当）で、さらにその中でもＩＣＤ10コードがＪ13～Ｊ18で始まるもの。 ※インフルエンザ等、ウイルス性肺炎（ＤＰＣ040070相当）、誤嚥性肺炎（ＤＰＣ040081）は除外。また、市中肺炎であるので入院後発症の肺炎、一般病棟外からの転入、他院からの転院も除外。 |
| ＜定義2＞ ・・・肺炎の重症度分類（Ａ-ＤＲＯＰシステム）・・・ ①：男性≧７０歳、女性≧７５歳 ②：ＢＵＮ≧２１または脱水（+） ③：酸素飽和度≦９０％ ④：意識障害（肺炎に由来する） ⑤：血圧（収縮期）≦９０ｍｍＨｇ 軽症： 上記５つのいずれも満たさない。 ⇒外来治療 中等症： 上記１つまたは２つを有する。 ⇒外来または入院 重症： 上記の３つを有する。 ⇒入院 超重症： 上記４つまたは５つ。またはショック ⇒ＩＣＵ入院 |
| ＜解説＞ 軽症の場合は外来治療が基本となりますが、患者さまの状態によっては入院しての加療となる場合があります。年齢を増すごとに重症化の傾向があります。当院では中等症の患者さまが多く、全市中肺炎の約６４％を占めています。又、症状を４段階に分けて２段階の中等症以上の患者の平均年齢が８０歳以上となっています。 |
脳梗塞のICD10別患者数等 ファイルをダウンロード
| ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| G45$ | 一過性脳虚血発作及び関連症候群 | 3日以内 | 22 | 4.45 | 74.05 | 4.55 |
| その他 | – | – | – | – | ||
| G46$ | 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 | 3日以内 | – | – | – | – |
| その他 | – | – | – | – | ||
| I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | 27 | 22.04 | 76.89 | 35.29 |
| その他 | – | – | – | – | ||
| I65$ | 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄， 脳梗塞に至らなかったもの |
3日以内 | – | – | – | – |
| その他 | – | – | – | – | ||
| I66$ | 脳動脈の閉塞及び狭窄， 脳梗塞に至らなかったもの |
3日以内 | – | – | – | – |
| その他 | – | – | – | – | ||
| I675 | もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> | 3日以内 | – | – | – | – |
| その他 | – | – | – | – | ||
| I679 | 脳血管疾患，詳細不明 | 3日以内 | – | – | – | – |
| その他 | – | – | – | – |
| ＜定義＞ 平成２８年４月～平成２９年３月に退院された患者さまが対象です。１０未満の患者数のデータは－（ハイフン）で表示しています。 |
| ＜解説＞ 当院では脳血管疾患関連の診療も行っていますが、専門とする医師の不在により救急での初療を施し脳外科医の専門的な治療が必要な場合は、転院して頂いていますので転院率が約40％となっています。 |
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
ファイルをダウンロード
内科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K7211 | 内視鏡的結腸ﾎﾟﾘｰﾌﾟ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） | 294 | 0.05 | 1.16 | 0.00 | 63.67 | |
| K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 29 | 2.28 | 11.07 | 13.79 | 72.83 | |
| K7212 | 内視鏡的結腸ﾎﾟﾘｰﾌﾟ・粘膜切除術（長径2cm以上） | 26 | 0.96 | 3.12 | 0.00 | 62.81 | |
| K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 22 | 9.41 | 12.50 | 4.55 | 80.73 | |
| K6534 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（その他）＜胃＞ | 17 | 0.00 | 3.35 | 0.00 | 69.24 |
| ＜解説＞ 内科で最も多い手術は、内視鏡的結腸（大腸）ポリープ・粘膜切除術です。検診等にて大腸病変が疑われ、精査目的で当院へ紹介頂いた中から、大腸ポリープが発見され、切除を行う症例が多くなっています。北部地区医師会の特色である同会併設の健康管理センターからの紹介が多く、癌の初期段階といわれるポリープの状態で切除し軽快へ持っていく為、予防医学としても貢献度が高くなっています。 以下内視鏡的消化管止血術、胆嚢疾患等の治療の一環で行われる内視鏡的ステント留置術となっています。 |
外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K672-2 | 腹腔鏡下胆のう摘出術 | 78 | 1.62 | 5.21 | 0.00 | 63.73 | |
| K6335 | ﾍﾙﾆｱ手術5.鼠径ﾍﾙﾆｱ | 51 | 1.00 | 3.04 | 0.00 | 69.88 | |
| K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 30 | 6.77 | 18.73 | 10.00 | 72.40 | |
| K635 | 胸水･腹水濾過濃縮再静注法 | 17 | 3.88 | 5.53 | 0.00 | 60.00 | |
| K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除(腹腔鏡下虫垂切除＜虫垂膿瘍伴わないもの＞） | 16 | 0.44 | 3.13 | 0.00 | 28.25 |
| ＜解説＞ 外科で最も多い手術は、胆のう炎や胆石症などの疾患に対して行われる腹腔鏡下胆のう摘出術で、開腹せずに腹腔鏡を用いて手術を行うため、在院日数がかなり短くなっています。２番目に多い手術は,鼡径ヘルニア手術でこの症例は昨年度より約1.5倍増加しています。3番目は腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術となっています。上位５症例の内３症例が腹腔鏡下手術となっており、当院では腹腔壁破壊が少なく術後疼痛の軽減する手術を心がけています。 |
整形外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | 73 | 1.59 | 31.51 | 49.32 | 83.51 | |
| K0811 | 人工骨頭挿入術（股） | 28 | 4.04 | 30.64 | 57.14 | 82.75 | |
| K0462 | 骨折観血的手術（前腕） | 25 | 1.60 | 16.68 | 0.00 | 67.60 | |
| K0821 | 人工関節置換術（膝） | 21 | 1.48 | 36.05 | 9.52 | 79.86 | |
| K0463 | 骨折観血的手術(膝蓋骨) | 15 | 1.07 | 12.27 | 6.67 | 42.60 |
| ＜解説＞ ７５歳以上の高齢者が北部医療圏人口の１３．３％と高く、高齢者の転倒、転落により受傷する骨折症例が多く、その殆どが手術適応となっています。股関節や膝関節の変形や骨折等により、日常生活に支障をきたしている高齢者も多く、人工骨頭挿入術及び人工関節置換術を用いた症例が増えつつあり、症例数でも２番目と４番目に位置しています。 高齢者の症例が多いため、術後リハビリ等の必要性から転院率も高くなっています。 |
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率） ファイルをダウンロード
| DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
|---|---|---|---|---|
| 130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | – | – |
| 異なる | – | – | ||
| 180010 | 敗血症 | 同一 | 15 | 0.38 |
| 異なる | – | – | ||
| 180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | – | – |
| 異なる | – | – | ||
| 180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 13 | 0.33 |
| 異なる | – | – |
| ＜定義＞ 平成28年4月～平成29年3月に退院された患者さまが対象です。 集計上、10未満の数値の場合は、－(ハイフン)を記入しています。 病気やけがの治療を進める過程で、予期できたり、できなかったりする様々な症状や合併症が発生することがあります。 ここで示している4つの指標はその代表的なものです。 『入院契機』が「同一」とはその症状が原因で当院に入院されたことを示し、「異なる」とはほかの症状で入院をしていたが、その症状の治療を最も行ったことを示しています。 |
| ＜解説＞ 敗血症に関しては、高齢者が多く、肺炎等の細菌感染症が重症化し、細菌が血管内へ侵入し全身に広がる重症感染症です。 手術・処置等の合併症で多いのは、処置後再出血や術後創感染症等です。 再入院して保存的に経過を診る場合や、再手術及び処置を行う場合もあります。 |
更新履歴
- 2017/09/29
- 病院指標ページを更新しました。
・平成２８年４月～平成２９年３月に退院された患者さまの年齢階級別（１０歳刻み）退院患者数です。
・集計上、１０未満の数値は－（ハイフン）で表示しています。
・年齢階級の９０歳以上は1つの階級で表示しています。