山形県「日本海ヘルスケアネット」の視察を実施しました

― 地域医療連携推進法人の先行事例から学ぶ ―

 本財団は、令和10年度完成予定の公立沖縄北部医療センターの指定管理者として、北部地域における将来的な「地域医療連携推進法人」の設立を視野に入れ、山形県酒田市において先行事例の視察を実施しました。

 本視察では、地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」を中心に、急性期病院、回復期病院、薬局、介護施設を訪問し、設立の背景や運営の実態、連携の成果について講義・意見交換を行いました。

1.連携法人の運営から得た示唆
 日本海ヘルスケアネットでは、急性期・回復期・慢性期・在宅・介護までを一体的に捉え、役割分担と共同化を進めています。
 特に印象的であったのは、

  • 「地域の危機(人口動態、医師不足、経営環境)」を関係者間で共有すること
  • 小さな実績を積み重ね、信頼へとつなげていくこと

が、連携を機能させる原動力であるという点です。
 また、医療情報ネットワーク(ちょうかいネット)の活用により、事前の情報共有が進み、現場の負担軽減や連携の円滑化につながっていることも紹介されました。

日本海総合病院

山形県・酒田市病院機構関係者との意見交換

2.病院間連携と病床機能の最適化
 回復期病院では、基幹病院の後方支援機能に特化し、紹介元の約9割を基幹病院が占めるなど、明確な役割分担が徹底されていました。
 病床の稼働状況や制度(施設基準・算定)を踏まえた合理的な運用がなされており、理念だけでなく経営面を織り込んだ連携設計の重要性を学びました。
 北部地域においても、地域の医療需要や人材確保の状況等を踏まえながら、将来を見据えた機能分担や運営のあり方について、段階的かつ丁寧に検討を進めていくことの重要性を改めて確認しました。

日本海酒田リハビリテーション病院

リハビリテーション室

3.薬局・介護施設との連携と地域機能
 地域薬局では、処方箋の有無にかかわらず相談できる体制や、休日対応など、地域の“サードプレイス”としての役割が実践されていました。
 また、介護施設では、

  • 個別排泄ケアの導入による負担軽減
  • DX・見守り機器の活用による業務効率化
  • 認定看護師の派遣などネットワーク内での人材融通

など、法人化による具体的な効果が確認できました。
 医療と介護が分断されるのではなく、組織的な枠組みのもとで役割を明確にし、相互に支え合う体制が構築されていました。

カイエイ薬局(無印良品内)

薬局内フリーベンチ

社会福祉法人正覚会ライフケア黒森

社会福祉法人正覚会との意見交換

4.北部地域への展開に向けて
 北部地域においても、人口減少、医師・看護師不足、物流制約といった課題を踏まえれば、新病院単体で完結する医療体制ではなく、地域全体をマネジメントする枠組みが求められます。
 今後、当財団が新病院の運営主体として中心的役割を担う立場から、

  • 病床機能を含む医療提供体制のあり方
  • 人材の育成・融通
  • 共同調達や情報連携の仕組みづくり

といった具体的なテーマについて検討を深め、北部地域に適した連携モデルの構築を目指してまいります。
 本視察は、その方向性を確認するとともに、今後の検討を具体化するための重要な機会となりました。

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