当院で実施した調査・研究事業について
当院では、地域の保健・医療・福祉を包括する地域医療の発展に寄与できるよう調査研究を実施し、学会発表や講演などを行っています。
これらの活動実績をご紹介ます。
調査研究概要
- 調査研究名:「沖縄県北部の勤労者のライフスタイルとメタボリック症候群の発生率との関連性:コホート研究」
- 調査研究責任者氏名:岸本拓治(検診科医師)
- 調査研究課題:16年間(2005年度~2020年度)にわたる健康管理センター健診受診者の既存健診結果データ(延べ人数:約85万人)を用いて、沖縄北部医療圏における生活習慣とメタボリック症候群の発生率との関連性を明らかにして、有効なメタボリック症候群対策の樹立を目的とした疫学研究
- 調査研究結果:英文医学雑誌 Preventive Medicine Reports 30(2022)101995に発表
①調査結果の和文概要 ()←クリックすると表示されます。
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主な内容
- 調査研究の目的
県別メタボリック症候群の有病率は沖縄県が全国一位の高率を示しています。メタボリック症候群は脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な脳血管疾患の原因の一つです。そこで、有効なメタボリック症候群対策を樹立するために、沖縄県北部の勤労者2,781人を対象に生活習慣とメタボリック症候群発生率との関連性について調査いたしました。 - 主な調査結果
生活習慣のうち統計的に有意な関連性を示した項目は、「間食:朝昼夕の3食以外に間食や甘い飲み物を摂取している」、「早食い:人と比較して食べる速度が速い」、「朝食抜き:朝食を抜くことが週3回以上ある」などでした。これらの生活習慣を改善することが、メタボリック症候群の予防につながることが示唆されました。(検診科医師 岸本拓治)
調査研究概要
- 調査研究名:北部地区医師会病院 健康管理センター・15年間の概況(2005年度~2019年度)
- 調査研究責任者氏名:岸本拓治
- 所属:検診科
- 調査研究課題:健康管理センター15年間(2005年度~2019年度)の活動をまとめ、地域の皆さまに健康管理センターの活動を紹介すること、地域の保健活動の課題を明らかにする資料を作成すること等により地域医療の発展に寄与することを目的とした調査研究
- 調査研究の期間:2020年4月~2021年3月
※ダウンロード可能ですが、二次使用する際は健康管理センターまでご連絡ください。
主な内容
- 受診者数の推移
・2005年度の受診者数は4万人ほどでしたが、受診者数は年々増加傾向を示し、2017年度以降は6万人以上の方々が健康診断を受診しております。
・各種の健康診断のうち、事業所健診、住民健診、人間ドックの受診者数が上位を示しました。
直近5年間の受診者割合は、事業所健診:30%、住民健診:27%、人間ドック:21% でした。 - 有所見・服薬・既往歴・生活習慣病からみた受診者の状況
・2019年度の健診結果の詳しい分析により、メタボリック症候群該当割合が女性:13%、男性:30%と著しい高値を示しております。
(厚生労働省が公表している県別のメタボリック症候群該当割合では、沖縄県が最も高い率を示しております。)
メタボリック症候群の要素である肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症に対する対策が重要な健康課題であると判明しました。
(検診科医師 岸本拓治)