当院では、12月~1月の期間に琉球大学医学生3年次を対象とする地域医療研修を実施しました。
この実習では医療の現場と地域の取り組みに対する理解を深め、離島地域医療に貢献できる医師となる将来像を描けることを目的に行っております。
実習は5日間で下記の内容で行われました。
1日目 外科手術見学。当院関連施設にて訪問診療を学ぶ。
2日目 伊江島の診療所で住民と医師とのふれあいや離島医療を取りまく環境と現状を学ぶ。
3日目 研修医レクチャーに参加する。消化器内科、循環器内科、病理検査を学ぶ。
4日目 へき地の診療所にて住民と医師との触れ合いやへき地医療を取りまく環境と現状を学ぶ。高齢者の生活機能低下を防ぐための介護予防事業を学ぶ。
5日目 病棟での看護業務全般を学ぶ。検査室での一般検査を学ぶ。当院(地域医療支援病院)と診療所、クリニックとの病診連携を学ぶ。etc.
初日に行われた外科手術の研修では、初めて手術室に入ったという医学生が多く、初めて見るオペの様子に緊張しながらも使用している器具や疑問点等を積極的に医師へ質問する医学生の姿が印象的でした。
訪問診療や離島診療では 「独居老人や老々介護など高齢者に対する医療問題が身近なものであることを目の当たりにして衝撃を受けた」「訪問診療を行う難しさを痛感し貴重な経験になった」 といった感想をいただきました。
病棟での看護業務の見学では、 「チーム毎に役割や受け持ち患者を割り振り、各々でPNS看護方式を採用し業務をこなす姿に感銘を受けた」「患者、看護師、医師の意思疎通がいかに大事かを再確認できた」 など、とても良い経験になったと振り返る学生が多く見られました。
今回の実習で地域医療ならではの工夫や取り組みを肌で感じて頂き、地域医療の魅力を知ってもらえるきっかけになればと思います。
そして、地域医療や離島医療で一人一人の暮らしに”こころ”で寄り添い、この地で医療に携わって頂ける医師が多く誕生することを祈っております。
(喜屋武)